ヒグマへの警戒が高まる北海道では狩猟免許試験の応募者が急増しています。
■冬突入も…連日のヒグマ目撃
全国的に相次ぐクマの出没。北海道に生息するのはツキノワグマよりも一回り大きなヒグマです。
冬を迎えても目撃情報は後を絶ちません。15日、撮影された映像には道路脇のフェンスによじ登るヒグマの姿が。
■狩猟免許試験に 応募「1.6倍」
そうしたなか、急増しているのが「狩猟免許試験」への応募者です。北海道ではコロナ前の1.6倍に。40代以下や女性の応募者が増えているということです。背景にあるのはハンター不足。増え続けるヒグマなどによる被害に対応するためです。
■新人ハンター“ヒグマと対峙”
北海道の中部にある三笠市は人口およそ7500人。周囲を山に囲まれたこの町に新人のヒグマハンターがいました。高崎梨徒さん(24)。去年大学を卒業し、三笠市の地域おこし協力隊員に。担当は鳥獣対策、もちろんヒグマが現れれば出動します。しかし…。
新人ハンター 高崎梨徒さん:「動物の殺処分に元々、反対していた。駆除というワードにもすごく抵抗がある」
名古屋市出身で都会育ちの高崎さん。転機は大学在学中。野生動物による農業被害の実態を知り、鳥獣対策の重要性に気付いたといいます。そして1年ほど前から銃を手に取り、ハンターとしてヒグマと対峙(たいじ)するように。
■銃を手に取り「極力1発で」
新人ハンター 高崎梨徒さん:「罪悪感とか、その時は邪魔でしかないので。本当にクマを極力、1発で仕留めることを考えて、その時は行動します」
人と野生のヒグマとの間で板挟みになっているハンター。
新人ハンター 高崎梨徒さん:「やっぱり、生き物を殺すことに抵抗がない人の方が圧倒的に少ないんじゃないかなと」
抱えている複雑な胸中を明かしました。
■“ヒグマと対峙”ハンターの苦悩
北海道三笠市でヒグマなどの駆除を担当している新人ハンターの高崎さん。初めてヒグマを撃ったのは今年4月。
新人ハンター 高崎梨徒さん:「人を見ても逃げない。追い払いをしてもその辺で餌(えさ)を食べる状態だったのでやむを得ず駆除をした」
目撃情報が増え続けているヒグマ。三笠市では今年44件と去年から倍増。高崎さんもこれまでに8頭を駆除してきました。ただ…。
新人ハンター 高崎梨徒さん:「やっぱり生き物を殺すことに抵抗がない人の方が圧倒的に少ないんじゃないかなと。この間、本当に初めてじゃないかってくらい、しっかり『ありがとう』って言われた。その場で涙が出そうになるくらいウルってなりました」
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