香港から遠く離れ・・・イギリス移住生活は【現場から、】

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 シリーズ「現場から」。国家安全法により民主派への締め付けが一層強まっている香港では、イギリスへの移住を申請する香港市民の数が今年1月から3月だけでも3万4000人に達しています。実際に、移住した人たちの話を聞きました。

 ロンドン近郊に住むルークさんとジニーさん夫妻。香港での国家安全法の施行をきっかけに去年9月、子供2人を連れて移住してきました。愛犬も一緒です。

 「子供たちの将来がどうなるか、目に見えています」(ジニーさん〔41〕)

 ルークさんの両親はもう歳だから、と香港に残りました。ジニーさんは「両親は理解してくれなかった」といいます。そして、出発の日。

 「どんな気持ちだったか?複雑な心境でした。ついにやった、これで自由になれるという気持ちもありましたが、親たちを置いていくわけで・・・。子供たちも泣いていたし、妻も泣いていたし」(ルークさん〔41〕)
 「いつまた会えるかわからないので。私は・・・もう香港には戻れないと思っています」(ジニーさん〔41〕)

 2人は、1997年の香港返還前に生まれた人が取得できるイギリスの「海外市民パスポート」を持っています。民主派弾圧への対抗策としてイギリス政府が始めた新たな受け入れ制度を使ってイギリスの市民権の獲得を目指しています。

 香港脱出の流れは続きそうです。同じく海外市民パスポートを持つアンドリューさんは、民主派のメディア「リンゴ日報」への強制捜査を見て、去年8月、移住してきました。

 「まるで独裁国家です。あんなに大勢の警察がメディアの本社を捜索するなんて」(アンドリューさん)

 イギリスでビジネスを立ち上げ、民主派の若者たちを従業員として呼び寄せるつもりです。

 「若すぎて海外市民パスポートを持っていない人や、お金がなくて来られない人もいますからね」(アンドリューさん)

 ルークさんとジニーさんは現在、倉庫で働く派遣労働者です。

 「香港では保険業界やホテル業界でキャリアを積みました。ここでは底辺からやり直しですが、問題ありません。時間はかかるでしょうけど」(ルークさん〔41〕)

 イギリスなど各国は香港の状況が悪化する度に批判する声明を出しますが、中国政府は聞く耳を持たないように見えます。意味があるんでしょうか?と聞いてみました。

 「あります、もちろん」(ジニーさん〔41〕)
 「意味はありますよ。イギリスやアメリカといった国々が言っても聞く耳持たないんだから、誰も何も言わなくなったら何が起こるのか想像してみてください」(ルークさん〔41〕)

 「遠く離れても故郷は香港」。「イギリスでデモがあれば参加したい」。今回出会った3人とも、そう話していました。(28日09:49)

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