寿司やラーメンなどの日本食に並んで、広く外国人に認知されている「神戸牛」。インバウンドで盛り上がる東京・浅草で今、神戸牛の専門店が急速に店舗を増やしています。その狙いとは?
■浅草で「神戸牛」 外国人観光客に人気
フランスから来た人:「わーお!!!」
外国人観光客が思わず驚きの声を上げたのは、日本3大和牛の1つ、神戸牛です。
フランスから来た人:「おいしい!とてもおいしいです!」「おいしい!おいしい!」「(Q.いつ神戸牛を知りましたか?)フランスのテレビとか」「ユーチューブとかです」
関西の名物・神戸牛がなぜか、浅草でインバウンド客の舌をうならせているといいます。
■10万円メニューも…「納得」
浅草・雷門のすぐ近くにあるのは、鉄板焼きを中心とした神戸牛の専門店です。
メニュー表を見てみると、サーロインが300グラムで3万円を超えています。シャトーブリアンが360グラムで10万円近くまでになっています。
なんと店で最も高価なメニューは、およそ10万円!それでも、一日に1品は出るといいます。
タイから来た人:「日本でやりたいことの1つが、神戸牛を食べることでした。この質とサービスでは安いと思います。この値段は納得です」
客単価は1人1万5000円。客のおよそ9割が外国人観光客です。
■半径300mに7軒 “宣伝効果”抜群
そんなインバウンドで盛り上がる浅草を歩いてみると、ある変化が起きていました。
街の至る所に、「神戸牛」の文字がありました。地図で見てみると、半径300メートルの範囲内に神戸牛の専門店が7軒もあります。
これだけアピールされると、宣伝効果は大きいようです。
外国人観光客:「絶品です。最高!外で神戸牛の看板を見て、日本にいるなら神戸牛を食べなきゃと思いました」
■「神戸牛ダイア」7軒経営 狙いは?
実はこれら7軒の店を経営しているのは、1つの会社「神戸牛ダイア」です。
浅草の狭い範囲に集中して店を展開している狙いについて聞いてみました。
神戸牛ダイア 代表取締役 赤木清美さん:「もうこの雰囲気ですよね。僕らが観光行った時に、やはりそこのものって食べたい。日本に来たら、神戸牛食べたい。それも別に神戸に行かなくても、そこに観光地の浅草にあったら、お客様にとって一番うれしいですよね」
赤木さんは外国人観光客にターゲットを絞り、インバウンド客であふれ返っている浅草をターゲットにしました。
去年12月に1号店をオープンさせると、瞬く間に人気店になりました。
赤木さん:「すごいですね。バスケットプレーヤーのコービー(Kobe)・ブライアントがいたり、何か言いやすいですよね、『神戸ビーフ』って。安易にそんなもんじゃないですかね」
先月には、浅草に7店舗目をオープン。街の至る所で目にする神戸牛の文字が、外国人観光客を「一度、食べてみようか」という気にさせるといいます。
■客の奪い合いは?「身近で助け合いも」
しかし、集中出店することで、客の奪い合いにはならないのでしょうか?
赤木さん:「やはり、身近に出すことによって仲良くもできるし、助け合いもできる。物の問題、情報の問題とか、すべてがやりくりできる。食い合いという表現が正しいかどうか分からない、そこはあと自分の工夫だけなので」
さらに、インバウンド客を取り込むための仕掛けは店内にもありました。
およそ80人いる従業員のうち、4割は外国籍。どんな言語の観光客が来ても、すぐにその言葉を話せる従業員を他店舗から呼び寄せられるため、スムーズな接客ができるといいます。
赤木さん:「これだけ(店が)あったら、ちょっとヘルプ来てというので意外と人件費を抑えられる、これはメリットありますよね。食材もこれちょっとたくさんありすぎるから使って。これもメリットすごくありますよね」
■8店舗目も予定 将来は日本全国の観光地に
15日には8店舗目となる、神戸牛を使ったラーメン店をオープン予定。神戸牛を軸とした飲食店をまだまだ浅草で展開し、将来的には日本全国の観光地に出店していきたいと意気込んでいます。
赤木さん:「神戸牛あるけど、ラーメン屋やったらいいし。神戸牛あるけど、そば屋やってもいいし。この神戸牛をどのように活かすかという部分では、(浅草で)とりあえずあと20店舗以上出せるかなと思っています」
(「グッド!モーニング」2023年12月5日放送分より)
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